2013.06.18

ヤモリ

こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の高橋です。

梅雨に入りましたが、雨が少なく暑い日が続いています。
暑くなると虫の活動も活発化し、明かりにも沢山の虫が集まるようになります。
それを狙って出没してくるのがヤモリです。
今年初めてヤモリを見かけたので、写真を撮ってみました。

yamori1.JPG

ヤモリとイモリはよく似ていると言われますが、
こうしてアップで見ると、肌はウロコでザラザラしていて
ヤモリは爬虫類であることがよくわかります。
人間から見るとカワイイものですが、虫の立場にすれば恐竜のように見えることでしょう。
イモリは両生類でウロコは無く、水場に住んでいます。

ヤモリはご存知のように、壁や天井を自由自在に歩き回れるますが、
その秘密は足の裏にあります。

yamori2.JPG

ヤモリの足の仕組みが解明されたのは、2000年頃とかなり最近のことになります。
ヤモリの足の裏には微細な毛が無数に生えていて、
毛の先端と壁面の凹凸がファンデルワールス力で吸着しているそうです。
ファンデルワールス力というと高校の化学で、「分子間に働く弱い引力」として
習ったのを思い出しますが、それをヤモリが利用しているというのは驚きです。

このヤモリの足の裏にヒントを得た接着テープが開発されていて、
その名も「ヤモリテープ」というのだそうです。
強い接着力があるのに、めくれば簡単に剥離でき、
従来の粘着テープのように粘着剤が残ることはなく、
テープ自体も繰り返し利用できるそうです。

今はまだ高価で一般には売られていませんが、将来的には一般販売を目指しているそうで、
普段の生活でヤモリの恩恵を受けられる日がいつか来るのでしょう。

2013.06.08

子育て

こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。

今日、虫の分類作業をしていると立派なハサミムシを目にしました。
子供の頃、虫探しをしていた時にはよく石の下などで見かけたものです。

DSCF2625.JPGのサムネール画像

名前の通り、お尻にハサミをもっている強そうな虫なのですが、私はお尻のハサミよりも子育てをすることにスゴイな~と感心してしまいます。
ハチやアリのように集団生活をしている虫なら何となく受け入れられるのですが、単独で行動する虫なのに、どのようにしてこんな母性を教わるのでしょう?

ハサミムシの母親は卵から子供が生まれるまで、卵にカビが生えないように卵を口でくわえ、
せっせと動かして風を当ててやります。
この間に母親と卵を引き離すとカビが生えて死んでしまうそうです。

そうして大切に守られてやっと生まれてきた子供たちは、まるで母親の愛情を知っていたかのように、母親の周りを離れようとしません。
それから、母親は10日間ほど口移しでエサを与えます。
そして大きくなった頃、子供たちは巣立っていきます。
まるで、野鳥の巣立ちを見ているようです。

さらにコブハサミムシという種類は、冬の終わりに卵を産み、1カ月間飲まず食わずで卵にカビが生えないよう世話をします。そして子供たちが生まれると、母親は自らの体を子供たちの食糧として差し出すのです。

母親として、自分の命よりも大切な想いがそこにあるように私は感じられます。
私たちの知らないところで、こんな命のリレーがつながっているのです。

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