2013.12.16
アリとキリギリスとコオロギと
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の高橋です。
今日はなかなか珍しい虫が捕獲されましたので紹介します。
どのくらい珍しいかというと毎日毎日膨大な量の虫が届く中でも、
これが見つかるのは年に一回あるかないかです。
この写真だけを見ると、ゴキブリだと思われる人が多いかもしれませんが、
これはアリヅカコオロギというコオロギの仲間です。
アリヅカと付いていますが、これはアリの巣のことで
このコオロギはアリの巣の中で生活するという珍しい生態をしています。
アリの巣の中では、アリにすぐに襲われてしまいそうですが、
このアリヅカコオロギはアリの臭いを体に付けることで巣に潜り込んでいます。
こうして安全な巣の中で、アリが集めたエサのおこぼれを戴くという生活をしています。
アリとキリギリスという寓話では、夏にせっせと働いたアリが冬を乗り越え、
夏に遊んでいたキリギリスは冬に飢えて死んでしまいましたが、
このアリヅカコオロギは寓話の教訓をあざ笑うかのような生活をしているわけです。
2013.11.12
PESTWORLD2013へ参加しました!
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
昨年の吉田主任に引き続き、今年は私がアリゾナ州フェニックスで開催されたNPMA(全米ペストコントロール協会)主催の「PESTWORLD2013」へ参加させて頂きました。
到着した初日は、宿泊先のホテルにてバージニア工科大学の昆虫学部 都市衛生害虫研究室で博士号候補の小金丸怜菜氏にアメリカ国内のトコジラミ問題について講義を行って頂き、アメリカ国内ではトコジラミが大変深刻な害虫となっている事と日本とアメリカの被害の拡がり方の違いがよく分かりました。
翌日のPESTWORLD2013の展示会場では、トコジラミに関連した商品が数多く展示されており、前日にお聞きした内容通りに問題の深刻さをうかがい知ることが出来ました。
また、研修の合間にグランドキャニオンを見に行く機会があり、あまりに壮大な風景に今までに感じた事の無いほど感動しました。
今回の研修では、日本国内では知り得ることが出来なかった知識と貴重な体験をさせて頂きました。この体験を生かして、もっと自分自身の視野を広げていこうと思います。
今回の研修に同行させて頂きましたペストコントロール協会の皆様、出発前から最後まで色々とお世話になった三井化学アグロの小野様、研修へ参加させて頂いたわが社の社長、専務に心から感謝を申し上げます。
2013.10.09
秋のスズメバチ
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の高橋です。
南但店より大型のスズメバチの巣の写真が届きましたのでご紹介します。
これは日本産スズメバチの中でも最も大型の巣を形成するキイロスズメバチの巣です。
直径70センチほどあり、中には多くのハチが住んでいて、
これほどの大きさになると働きバチの数は1000匹前後と思われます。
頂点にはただ一匹の女王バチが君臨し、ハチの帝国とも言えます。
これは過去にご紹介したオオスズメバチの巣の内部ですが、
キイロスズメバチも同様にこのお皿のようなものが何段も重なって一つの巣を形成しています。
スズメバチは秋にかけて活動が活発化し、刺される被害が多く発生しますが
それはこの季節がスズメバチにとって重要な時期であるからです。
9月下旬頃になると、巣の中では新女王と雄バチが生まれ始めます。
それらは、巣の外で交尾した後、新女王だけが土中や朽木の中で越冬します。
雄バチと働きバチ、旧女王バチは冬までに死に絶えて、巣は空になります。
越冬した女王バチは、春になるとたった一匹で巣を造り始めるのです。
ですので、秋はスズメバチにとって重要な時期であり
巣を守るために非常に攻撃的で近づくだけで刺される可能性があります。
発見されましたら弊社で駆除を承っておりますので、ご利用ください。
2013.08.26
トカゲ(カナヘビ)からの贈り物
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。
前回のブログでも紹介しましたが、ヤモリとトカゲ(カナヘビ)を飼育することになりました。
仕事から帰り、子供とエサとなるバッタを捕まえに行くことが日課(使命?)になりましたが、いつの間にかヤモリ2匹、カナヘビ2匹、ニホントカゲ1匹、計5匹と大所帯になってしまったもので、エサを捕まえるのも一苦労です。
1匹が一日に3匹のバッタを食べるとして最低15匹のノルマが必要です。
そんな生活がしばらく続き、一番大きなカナヘビが頻繁に土を掘る仕草をするようになりました。飼育ケースが狭く、ストレスを感じているのかと思い、そのカナヘビだけ別の飼育ケースに移してやることにしました。
すると、次の日の朝、土の上に白くて丸い物体が3つ見えました。よ~く見ると卵ではありませんか!
身の回りでトカゲが卵を産んだという話しを聞いたことが無かったので子供ともども正直びっくりです。まさか、トカゲが卵を産むとは・・・。
こうなったら、卵の面倒も見るしかありません。卵の世話なんてしたことが無いので(たぶん皆様も同じだと思います)、早速インターネットで調べることにしました。
調べて初めてわかったことですが、トカゲの卵は土の水分を吸って少しずつ大きくなるそうです。(ちょっと半信半疑)
又、土は乾燥しても湿りすぎても駄目なようです。
卵からトカゲの赤ちゃんが生まれるまで約30日も掛かるらしく、こちらもエサ取り同様、大変な作業になるなと直感しました。
卵と土を別の入れ物に入れ、朝と夜に適度な水をやり、昼間は乾燥から守るため、少しフタをしてあげました。
最初はあんなに小さかった卵が、本当に大きくなってきました。(ウソみたい)
そんな生活を1カ月近くしていると、ある朝、子供が卵が少し動いていると言ってきました。確かに微妙に動いているように見えます。しばらくすると、卵が少し割れて、中では確かに何かが動いています。
こんなシーンはもう見る事が無いかもしれないと、子供と一緒に食い入るように見守りました。すると、思ったよりも大きな赤ちゃんが出てきました。
赤ちゃんだけど立派なトカゲの姿をしています。
ちゃんと生まれてよかったなと子供と一緒になって喜びました。
何となく始まったトカゲたちとの生活でしたが、産卵や誕生まで見ることができ、とても貴重な体験をさせてもらいました。
子供にとっても、生き物の世話をすることの大変さと楽しさを学び、良い思い出になっていると思います。
2013.08.05
最近よく見る虫 その3(チャタテムシ)
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
休日に家の掃除をしたのですが、普段めったに入ることが無い客間の畳を見ると、あの虫が発生していました。
どこにどんな虫がいるのかお分かりですか?
小さくて分かりにくいですが、写真の中央やや左にチャタテムシがいます。大きさは畳表のイグサの幅と同じくらいですので1mm位です。
このままでは分かりにくので、顕微鏡で拡大した写真をご紹介します。
チャタテムシは家屋内で最も普通に見られる虫で、主にカビ類や酵母をエサにしています。
高温多湿な場所で良く生育し、貯蔵食品や畳、壁紙、家具等から大発生する場合があります。このような場合、対象物にカビが発生しエサが豊富になっていることが多い。
梅雨時期の6月、高温多湿の8月、秋雨時期10月頃によく発生します。
ダニやノミの様に人に危害を与えるものではありません。
今回我が家でチャタテムシが発生した原因としては、滅多に入る部屋ではないため、あまり窓を開けることが無く風通しが悪かった事と、掃除する間隔があいてしまった事が挙げられます。
チャタテムシには申し訳ないのですが、さっそく隅々まで掃除機をかけて吸い取りました。食品工場などでは、この後に消毒用アルコールや殺虫剤を散布するのですが、小さい子供がいる我が家ではそこまでするわけにもいかず、日中家にいる時は窓を開けて、最低でも週に1度は掃除機をかけようという家ルールが出来ました。
ほんの僅かな気配りで発生を防止することが出来る虫ですが、お困りの方はお気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
2013.08.01
最近よく見る虫 その2(クロアナバチ)
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
最近、会社に問い合わせがあるハチを見かけたので、行動を観察してみました。
黒くて大きく、地面に穴を掘っているこのハチ、名前を「クロアナバチ」と言います。
久しぶりに見ましたが、やはり大きくて1匹だけでなく周囲に沢山いるので、生態を知らない人が見ると怖いだろうなと思いました。
このハチは、スズメバチやアシナガバチの様に集団で生活するのではなく、単独でツユムシやウマオイ、クダマキモドキなどの大型バッタを専門に狩る狩り蜂です。獲物に毒針で麻酔をかけ、穴に運んで産卵します。孵化した幼虫は、バッタを食べて成長します。狩った獲物は幼虫のエサで、成虫は主に花の蜜等を吸っています。
アナバチの仲間は、畑などを荒らすガ類の幼虫やバッタなどを狩ってくれるため、害虫ではなく益虫と言われています。攻撃性はまったく無く、強く握ったりしない限り刺すことは無く、人に危害を与えるような虫ではありません。
私も穴の近くまで近寄って写真を撮りましたが、お構い無しにせっせと穴を掘っています。
今は産卵の準備の時期だろうと思われ、しばらくすると見られなくなるはずです。
スズメバチの様に人を刺そうと向かってくるわけではありませんので、いなくなるまでの間は
「暑いのに大変だな」程度の気持ちで見守ってあげてほしいと思います。
2013.07.12
太陽の恵み
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
私事ですが、つい先日、住宅購入時から手続きを行っていた太陽光パネルの設置が完了し、太陽光発電が始まりました。
何年で元が取れるかという話は置いておいて、室内のモニターで発電量と昼間は売電量、夜間は買電量、消費量が一目で分かるので無駄な電気を使用しないという意識が自然に身に付くようになりました。
発電が始まった日のことですが、何気なく挿したままになっているなっているコンセントを抜くだけでも消費電力が変わったり、ドライヤーを使用すると消費量が跳ね上がることに驚いたりと、今までいかに無意識に電気を使用していたかが分かりました。
我が家は発電しているからと安心せずに、本音は少しでも売電量が多くなるようにこれからも省エネに努めます。
2013.07.11
家の中で自然観察
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。
先日、高橋社員のブログでヤモリが紹介されました。
人生に於いてヤモリをじっくり観察する事もそうないと思い、我が家で飼うことになりました。
生き物が大好きな息子は大喜びです。
いざ飼おうと思っても今までヤモリと無縁の生活を送ってきたので、どのように飼えばいい
のかわかりません。
ネット等で調べてみましたが、今一しっくりくるものが見当たりません。
子供と色々話し合い、飼育ケースの中に自然を作ることにしました。
自然といってもたいしたものではなく、家庭菜園の土を入れ、庭に生えている草を植え、
一休みできそうな石を入れ、枯れた草を食べてくれるダンゴムシを入れ、ただ庭の風景を
作ってみました。
よく見ると子供はテントウムシも入れています。こうなったら何でもありです。
あとは、ヤモリのエサとなるバッタやガなど小昆虫を捕まえれば準備は完了です。
早速、虫網と虫カゴを持って昆虫採集です。子供たちはこれだけでうれしそうです。
近所の草むらにいくと、バッタやチョウ、ガなど沢山の虫が生息していることに驚かされます。
夢中になって虫を捕まえていると、子供がトカゲを見つけました。
よく見るトカゲで正式名称はカナヘビです。
せっかくなのでカナヘビを捕まえて子供に見せてあげると、カナヘビも飼いたいと言い出しま
した。
ヤモリもトカゲも同じ爬虫類で小昆虫をエサとするので飼えないことはありませんが、大丈夫
かなと少し不安もありつつ、何事も経験と思い飼う事にしました。
さらに、帰り際にもう1匹カナヘビを捕まえ、ヤモリではなくカナヘビがメインになってしまい
ました。
全ての虫やカナヘビを飼育ケースに移し終わると、家の中に居ながら、目の前には身近な自然が広がっていました。
草むらで跳ねるバッタ、葉の裏で休む蛾、葉っぱを以外と素早く動くテントウムシなど、自然を
観察しているだけでも飽きません。子供たちも目を輝かせて見ています。
かわいそうですが、カナヘビに食べられる虫の姿も自然の流れであり、これが食物連鎖であると自分の目で感じとることも、子供にとって大切な勉強であるような気がしました。
これからは、家に帰ると子供とバッタなどを捕まえに行き、自然観察をする楽しみが増えました。
また変化がありましたら、ブログでお伝えしま~す。
2013.06.18
ヤモリ
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の高橋です。
梅雨に入りましたが、雨が少なく暑い日が続いています。
暑くなると虫の活動も活発化し、明かりにも沢山の虫が集まるようになります。
それを狙って出没してくるのがヤモリです。
今年初めてヤモリを見かけたので、写真を撮ってみました。
ヤモリとイモリはよく似ていると言われますが、
こうしてアップで見ると、肌はウロコでザラザラしていて
ヤモリは爬虫類であることがよくわかります。
人間から見るとカワイイものですが、虫の立場にすれば恐竜のように見えることでしょう。
イモリは両生類でウロコは無く、水場に住んでいます。
ヤモリはご存知のように、壁や天井を自由自在に歩き回れるますが、
その秘密は足の裏にあります。
ヤモリの足の仕組みが解明されたのは、2000年頃とかなり最近のことになります。
ヤモリの足の裏には微細な毛が無数に生えていて、
毛の先端と壁面の凹凸がファンデルワールス力で吸着しているそうです。
ファンデルワールス力というと高校の化学で、「分子間に働く弱い引力」として
習ったのを思い出しますが、それをヤモリが利用しているというのは驚きです。
このヤモリの足の裏にヒントを得た接着テープが開発されていて、
その名も「ヤモリテープ」というのだそうです。
強い接着力があるのに、めくれば簡単に剥離でき、
従来の粘着テープのように粘着剤が残ることはなく、
テープ自体も繰り返し利用できるそうです。
今はまだ高価で一般には売られていませんが、将来的には一般販売を目指しているそうで、
普段の生活でヤモリの恩恵を受けられる日がいつか来るのでしょう。
2013.06.08
子育て
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。
今日、虫の分類作業をしていると立派なハサミムシを目にしました。
子供の頃、虫探しをしていた時にはよく石の下などで見かけたものです。
名前の通り、お尻にハサミをもっている強そうな虫なのですが、私はお尻のハサミよりも子育てをすることにスゴイな~と感心してしまいます。
ハチやアリのように集団生活をしている虫なら何となく受け入れられるのですが、単独で行動する虫なのに、どのようにしてこんな母性を教わるのでしょう?
ハサミムシの母親は卵から子供が生まれるまで、卵にカビが生えないように卵を口でくわえ、
せっせと動かして風を当ててやります。
この間に母親と卵を引き離すとカビが生えて死んでしまうそうです。
そうして大切に守られてやっと生まれてきた子供たちは、まるで母親の愛情を知っていたかのように、母親の周りを離れようとしません。
それから、母親は10日間ほど口移しでエサを与えます。
そして大きくなった頃、子供たちは巣立っていきます。
まるで、野鳥の巣立ちを見ているようです。
さらにコブハサミムシという種類は、冬の終わりに卵を産み、1カ月間飲まず食わずで卵にカビが生えないよう世話をします。そして子供たちが生まれると、母親は自らの体を子供たちの食糧として差し出すのです。
母親として、自分の命よりも大切な想いがそこにあるように私は感じられます。
私たちの知らないところで、こんな命のリレーがつながっているのです。