2016.09.29
近頃、問い合わせが多い虫
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
今日は9月後半に頻繁に問い合わせや同定依頼があった虫を紹介します。
今年は本当に問い合わせが多く、多くの方が見られたのではないでしょうか。
発見される場所や体の色から、もしかして白アリ?と疑われるこの虫の塊の正体は「キイロシリアゲアリ」というアリの女王アリ達です。体長が7mmとやや大きいので、人目に付きやすいのかもしれません。
キイロシリアゲアリは、日本全国で見られる普通種で雑草やコケ類に覆われた地中や立木の普及した部分に巣を作ります。
そして、9月上旬から下旬にかけて繁殖のために羽アリ(雄アリと女王アリ)が巣から飛び出し、結婚飛行を行います。
羽アリは夕方に飛び出し、街灯や建物から漏れる灯りに集まり、その後、女王アリが建物やブロック塀の周囲に塊状になって集まる習性があるため、翌朝に発見された人が「建物内から発生したのではないか?」「建物に危害を加えるのでは?」と心配されるのだと思われます。
しかし、キイロシリアゲアリは人や建物に危害を与える虫ではありません。
羽アリの発生は9月上旬から下旬のみであり、塊状になった女王アリも巣穴を掘るため、数日で姿を見ることはなくなります。
ですが、普段見かけない虫が沢山いれば誰もが不安になることでしょう。そんな時はお気軽に弊社へお問合せ下さい。
何かわからない虫の生態や対策を調べ、お客様の不安を解消いたします。
2016.08.20
スズメバチにご注意!
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
先日、食品工場の調査の合間にハチ駆除のご依頼を頂いたお宅に同行しました。
車を降りてお家を見上げると、ちょうど真上4m位の所に巣があり、すぐに見張りのハチが威嚇に下りてきたので大変驚きました。
巣の大きさは直径40cm程で、施工担当者によると、この時期にしては大きいとのことでした。
巣の外にいる働きバチも多かったです。
依頼者の方にお話を聞いたところ、巣の存在は早くから気付いていたが、小さかったのでしばらく放置していたところ、かなり大きくなっていたので慌てて弊社へ依頼したとのことでした。
これから先は、巣もどんどんと大きくなり、働きバチの数も大幅に増えます。また、次の世代となる新たな女王、新たな王を守るために働きバチが凶暴になるため、受傷事故も増えます。
厚生労働省の統計によると、毎年20人前後の方がスズメバチに刺されて亡くなられているようですので、事故を防止するために巣を発見された場合は、速やかに弊社までご相談頂きますようお願いします。
2016.07.26
ムカデ捕獲
2016.06.14
クロバネキノコバエ大発生!
こんにちは昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
今日は初めてクロバネキノコバエの大発生を目の当たりにしました。
以前から、毎年この時期になると一時的に多数の問い合わせがある虫ですが、私自身は被害を体験したことが無く、「地面が真っ黒になるほど」というのは少し大袈裟ではないかと思っていました。
ところが、いざ目の当たりにすると全く大袈裟ではなく、建物の地面に近い場所は写真の通り真っ黒になっていました。
近くに見られたクモの巣も、巣全体にクロバネキノコバエが引っかかっており、的の様になっていました。
写真では小さくて分かりにくいですが、顕微鏡で拡大して見てみると黒い虫は全て体長1mm程のクロバネキノコバエです。(目盛は1mm)
クロバネキノコバエは暖冬の年に大発生する傾向があり、今年はまさにその条件に当てはまります。
この虫は、ハチの様に人を刺したりカの様に血を吸う虫ではなく、人に被害を及ぼすことはありません。
ただし、医薬品工場や食品工場、飲食店に多数侵入すると、製品や料理に混入して被害を及ぼすことがあるので、工場や飲食店では建物内への侵入防止に厳重な注意が必要です。
1.クロバネキノコバエの特徴
体長 1~2mm
体色 黒色~暗褐色 羽があります。
2.生態
・雨が降った翌日が晴れると、多く発生します。
・1日のうちでは、朝方(夜明けから午前10時頃)に多く発生します。
・水分を適度に含んだ腐葉土などのある場所(野山、畑、植木鉢等)に産卵し、幼虫・蛹を
経て、20日程度で成虫になります。
・発生場所など不明な点が多く、ピンポイントで駆除を行うことが難しい虫です。
3.発生時期
4~6月及び9月~11月 特に梅雨時期に大発生します。
4.対策
・多く発生する時間帯である朝方は、扉や窓を開放したままにせず、極力閉めて下さい。
また、網戸を通り抜けるほど小さいため、網戸がある窓であっても極力閉めて下さい。
・屋外に扇風機を置いて、侵入経路となる窓、ドアに成虫が近寄らないように横や下から
風を送るのも有効です。
・屋内換気扇を使用する場合、窓を閉め切ると屋内の気圧が低くなることで成虫が扉や窓
のサッシの隙間から吸い込まれることがあるため、大量発生している時間帯での換気扇
の使用には注意が必要です。
2016.05.20
玄関に穴を開けた犯人は?
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。
GWに嫁の実家に帰っていた時のことです。
ふと何気なしに玄関の庇(ひさし)を見ると、親指が入りそうな位の大きな穴
(直径15mm程)が開いています。
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なぜ?と思いながら、しげしげと眺めていると、何やら穴の奥で黒いものが
見え隠れしています。
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木にこんな大きな穴を開けながら掘り進めるものは、おそらくあの虫しかいません。
穴にビニール袋を被せて刺激してやると、予想通りの虫が飛び出してきました。
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クマバチです。
体長20mm前後のハチですが、ずんぐりむっくりで幅が大きいため、なかなかの
威圧感です。
でも見た目とは裏腹に性格はおとなしく、手で触らない限り刺されることはまずありません。
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しかし、このまま放っておくと木に穴を開けながら40cmも掘り進んで巣を作り、
庇に甚大な被害を及ぼします。
可愛そうですが殺虫剤で駆除し、穴は紙粘土で塞ぎました。
クマバチ以外にも、キクイムシやシロアリのように家屋を加害する虫がいますので、
家の変化にはご注意下さい。
2016.04.01
アゲハヒメバチ それとも・・・
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。
先週(3/24)、アゲハ蝶の蛹3匹のうち1匹から、アゲハではなく、アゲハヒメバチという
寄生蜂が出てきてビックリしたお話しをしました。
残り2匹の蛹も寄生蜂にやられている可能性が高いと思いつつも、僅かな期待を胸に
観察を続けるもあれから何の変化もない日が続きました。
今朝(4/1)、何気なく蛹のゲージに目をやると、何か大きなものが蛹にしがみついています。
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待ちに待った、キアゲハのお目見えです。
たぶん駄目だろうと諦めかけていただけに、喜びもひとしおです。
カラフルで綺麗な翅に、つい見とれてしまいます。
幼虫から蛹になり、そして蛹の中では一部の神経や呼吸器系以外の組織は
一度ドロドロの状態にして、再び成虫の形を形成する。
子供の頃から本を読んで頭では理解していても、
細かい鱗粉が付着して出来ている翅の模様の精妙さや、
口がストロー状に変化するなど、どうしてこうも全く違う形になれるのか
不思議で仕方がありません。
教えられなくても精巧な巣を張るクモや、
幼虫にエサを口移しで与える甲虫(モンシデムシ)など、
虫の世界は不思議や感心することでいっぱいです。
2016.03.24
エイリアン
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の吉田です。
暖かくなってきたので、3月初旬に冷蔵庫からキアゲハの蛹を出してあげました。
室温は20℃前後と暖かいので、2~3週間後には綺麗なキアゲハの成虫が見れるはずです。
今日(3/24)、研究室を1匹のハチが飛んでいました。
体長20mm前後とアシナガバチぐらいの大きさのハチです。
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暖かくなったので、外から入り込んできたのかなと眺めていると、独特なシルエットに
嫌な予感が脳裏をよぎりました。
急いでアゲハの蛹を確認すると、やはり穴が開いており、中が空っぽの状態です。
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その瞬間、アゲハヒメバチにやられたと確信しました。
このハチは、アゲハチョウにのみ寄生するハチで、アゲハの幼虫に卵を産み付け、卵から孵ったハチの幼虫は、アゲハの幼虫の体内で少しずつ成長し、アゲハの幼虫が蛹になってから全てを食い尽くし、最後は成虫になったハチの状態で蛹から出てきます。
まるでエイリアンのようです。
このハチの存在は知っていましたが、まさか実際に被害に遭うとは・・・。
かなりの驚きとがっかり感です。
残りの蛹は2匹です。どんな結末になることやら。
2016.02.19
キアゲハの蛹
2015.09.24
スズメバチにご注意!
こんにちは、福知山店研究室の木曽です。
今年はハチ駆除の依頼が非常に多く、私が入社して以来最多ではないかと思われる程です。
そして、毎日駆除された巣が沢山持ち帰られています。
これから先は、巣もどんどんと大きくなり、働きバチの数も大幅に増えます。また、次の世代となる新たな女王、新たな王を守るために働きバチが凶暴になるため、受傷事故も増えます。
適切な方法で駆除を行わないと、刺されて死に至る可能性がある危険な虫ですので、巣を発見
された場合は、弊社までご相談頂きますようお願いします。
2015.07.30
セミの羽化
こんにちは、昭和リーブス福知山店研究室の木曽です。
昼休みに羽化中のセミを発見したので、しばらく観察しました。
セミは日没後に羽化することが多いそうなので、昼間に見ることが出来たのは幸運でした。
発見した時には伸びきっていなかった翅もすぐに伸び、完全体になりましたが、ここで昼休みが終わってしまい、翅に色がつくまで見ることは出来ませんでした。
翅脈を拡大して見てみると、アブラゼミであると思われます。
一般的に、セミは短命と思われていますが、アブラゼミは幼虫として土の中で6~7年過ごした後に、地上に出て成虫になり、2~3週間生きるので、決して短命ではありません。
暑い夏を精一杯生きているセミに負けないように、暑くても頑張ろうと思った1日でした。